鮭いくら茶漬け

お茶漬けサラサラ

2020夏の間に読んだ本

ピースピース。鮭です。

この夏は社会人になってから一番本を読みました。学生の頃のように。よく考えたら図書室という部屋やばいよな。いいなー。図書館行けという感じですね。ははは。行くか。

というわけで、以下、夏(6月〜8月)に読んだ本一覧。

 

6月

・晩年の子供/山田詠美

・熱血ポンちゃん膝栗毛/山田詠美

・蝶々の纏足・風葬の教室/山田詠美

・あおい/西加奈子

7月

・トラッシュ/山田詠美

・猫を棄てる/村上春樹

・白いしるし/西加奈子

太陽の塔森見登美彦

・一人称単数/村上春樹

つるつるの壺町田康

・いつだってティータイム/鈴木いづみ

8月

・生きてるだけで、愛/本谷有希子 (再)

・今夜、すべてのバーで/中島らも (再)

・噂の女/奥田英朗

・八本脚の蝶/二階堂奥歯

砂の女安部公房

ノルウェイの森村上春樹(再)

・異邦人/カミュ

東京奇譚集村上春樹

・四畳半タイムマシンブルース/森見登美彦

・すべて真夜中の恋人たち/川上未映子

・オモロマンティック・ボム!/川上未映子

 

よく読んだな。こうやって並べるとなかなか。特に8月はお盆休みで9連休だったし、あちこち出かけて本を買ったりしたのもあり(ブックオフのサマーセールは最高!)、よく読んだ月になったな。ていうか8月、まだ半分残ってるし。

まあ沢山読んだからって別にどうってことはないんだけど。問題はその先なので....。いい作品に触れてもそれを自分の中に取り入れられるかどうかって自分次第なんで....。

また偉そうなことを言っとる。殴りましょう。

 

殴ったので、印象に残った本などについて書きます。

・晩年の子供/山田詠美

メロンの温室、煙草の畑、広がるれんげ草の群れ。香り高い茶畑、墓場に向かう葬列、立ち並ぶ霜柱など。学校までの道のりに私が見た自然も人間もあまりにも印象的であった。心を痛めることも、喜びをわかち合あことも、予期しない時に体験してしまうのを、私はその頃知った。永遠の少女詠美の愛のグラフィティ。(紹介文より引用)

あー、山田詠美はませた子供って言われる子供だったんだろうなー、というのがわかる本です。実際ませてるし。でもみんなそうなんじゃないか、と思う。というのは、私も子供の頃まあまあ色々考えてたので、それなりに。だから子供扱いされるのが嫌でしょうがなかったな。「子供だけど子供じゃねーし、舐めんな」とか思ってました。

でも自分が歳とってから子供見たら、なーんも考えてなさそうに見えるんだよなあ。不思議だ。私の子供に接するときのモットーは「同じ目線」です。子供扱いはしない。自分がされてむかついたから。

みたいなことをね、思い出しました。少女が女、になる瞬間、とかねー....。山田詠美はこう、匂い立つ女を描くよな、と思う。

 

つるつるの壺町田康

妄想に近いたわごと。言葉になりかける寸前でぐずぐずになってしまう想い。ワードプロセッサーの中でのたうち回る私の思念が現実を浸食する。やめてくれないか。そういうことは。と思ったけれども、それでもほつほつ続けるうち私自身が因果そのものとなり果て…。町田節爆発、クールでキュートなエッセイ。

ウフフ........。ほんと面白い............。

 

・トラッシュ/山田詠美

人を愛した記憶はごみ(トラッシュ)のようには捨てられない。それがどんなに苦しんだ記憶でも。黒人男性・リックに恋をし、彼の連れ子のジェシーとぶつかりながらも、三人で暮らす日本人のココ。しかし、ココから逃げるように、リックは毎晩酒びたりになる。献身的に彼に尽くすココ。だが、求めれば求めるほど彼は遠くなる……。(紹介文より引用)

これはあれです、「ジェシーの背骨」という短編の続き。多分読まなくても話はわかると思うけど、でも折角なら読んで欲しいですね。順を追って。

もう本当に体力つかった。読むのに。疲れた。痩せた。痩せてない。しかも読み終わった感想、どうしようもないよねー他人の気持ちは、という感じ。これは突き放す感じじゃなくて、いや逆にだから誰かを傷つけることになったとしても、きちんと誠意を持って接すれば愛を追いかけてもいいんだよ、というか。難しいし寒い言葉になるな。やめよう。読んで痩せてください。

 

・白いしるし/西加奈子

失恋ばかりの、私の体。私は彼のことが、本当に、好きだった。32歳。気づいたら、恋に落ちていた。軽い気持ちだった、知らなかった、奪えると思った。なのに、彼と関係を持ってから、私は笑えなくなった。恋は終わる。でも、想いは輝く。極上の失恋小説。(紹介文より引用)

私、さては西加奈子好き? と思った。彼女の作品は「きいろいゾウ」しか読んだことがなくて、「あおい」を6月に読み、あーいい関西弁だなー、とか思いながらこれを読んで、あーいい小説だ、となり、どれも読んだあとなんとなく恋に肯定的になるな、と気付いたんですね。遅いね。

比較するのは申し訳ないんだけど、私にとって山田詠美とかよしもとばななは、即効性があって、その分読むのに体力も必要で、という感じでして。対して西加奈子はこう、さらさら抵抗なくパワーも必要なく読めるんだけど、ぽっとじんわり暖かい、みたいな、漢方薬みたいな(は?)。知らんけど。

本編についてですか...。未来がないとわかっているけど捨てられない恋、みたいなのを、形が変わって色も褪せて味もしない恋だったもの、を、握りしめて離せない人におすすめです。

 

・今夜、すべてのバーで/中島らも

薄紫の香腺液の結晶を、澄んだ水に落とす。甘酸っぱく、すがすがしい香りがひろがり、それを一口ふくむと、口の中で冷たい玉がはじけるような・・・・・・。アルコールにとりつかれた男・小島容(いるる)が往き来する、幻覚の世界と妙に覚めた日常そして周囲の個性的な人々を描いた傑作長篇小説。(説明文より引用)

これは再読です。酒浸りの友人に教えてもらって、五、六年くらい前に読んだかな。当時は、中島らもの文を読むのに慣れていなくて、なんというか、文字を追うので精一杯、みたいな感じだったと思う。その証拠に感想を何も覚えていない。

で、久々に読んだら、まあー、泣きました。泣く。泣いてしまう。あとアル中に詳しくなれる。なんだろうな、自分も酒を飲むようになって、酔う感覚とか酔いすぎて死にそうな感覚とか(肝臓を壊したことはないけど)がわかるようになったから感情がぐーっと入っていったというか、うーむ。嗚呼、さやか。

酔っ払いながら読むのはやめましょう。普通に話がわからなくなります。

 

ノルウェイの森村上春樹

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。(紹介文(上)より引用)

これも再読です。高校時分に読んだ。まだその頃は性とかなんとかわかってなくてねー、ははは、エロいシーンばっかりに目がいって...しょーもな! まあそんなもんですよ、思春期なんて。村上春樹も「この本ではセックスと死しか書いてない」って言ってるらしいけども。まあ確かにめちゃくちゃセックスするけど。

私もそれなりに大人(アダルト)になりましたし、というところで久々に読んだら、なんだろうなー、死ぬ人は何をしようが死ぬ時は死ぬ(どうしても死に引っ張られている人のこと)よなあ、とか、ワタナベ(僕)は若いからかやたら傲慢で身勝手で幼いなあ、とか、愛のないセックスで擦り減らない人(滅多にいない気がする)と擦り減る人とに分かれるなあ、とか思いました。

友人は「孤独な話」って言ってたな。どこに感情を入れるかによると思う。私は女だし、ミドリに感情を入れてしまったので、いくら「僕」目線で描かれてても彼に対しては「しょーもな」とか思ってしまった。はは、若いからねー。これからいい男になれるといいね。グイグイ読めるけど重いパンチがガンガン入る。そんな感じでした。

 

・四畳半タイムマシンブルース/森見登美彦

水没したクーラーのリモコンを求めて昨日へGO! タイムトラベラーの自覚に欠ける悪友が勝手に過去を改変して世界 は消滅の危機を迎える。そして、 ひそかに想いを寄せる彼女がひた隠しにする秘密……。 森見登美彦の初期代表作のひとつでアニメ版にもファンが多い『 四畳半神話大系』。ヨーロッパ企画の代表であり、アニメ版『 四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『ペンギン・ ハイウェイ』の脚本を担当した上田誠の舞台作品『 サマータイムマシン・ブルース』。 互いに信頼をよせる盟友たちの代表作がひとつになった、 熱いコラボレーションが実現!

サマータイムマシンブルース四畳半神話大系も好き、とくればこれは喜びの大回転な新刊でした。小躍りしながら買って即読んだもんね。

オチも途中のボケも何もかもわかってるのに四畳半のキャラクターが生き生き動いてるのもあって、もう面白く読んだ。しかし森見登美彦の文章、前より読みやすくなったな。あの堅い感じが少しなくなったというか。気のせいか? それにしても、森見登美彦が描くキャラクターってなんでこんな全員愛しいんだろうな。四畳半のアニメ観たくなってきた。

このクソ暑い夏の間に、映画も本も是非読んでいただきたく! この前に紹介した本で頭が凝り固まって心が殴られまくったら一息つける。私は一息つけた。イェーイ。

 

・すべて真夜中の恋人たち/川上未映子

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった――。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。(紹介文より引用)

静かで淡々としている。でも、淡々としてるのに沸々としてるというか、なんだろう、何かがあるんだけどのぺーっと日々が流れたいくというか。そういう文章だな、と思った。この本の主人公がそんな女の人だったからっていうのもあるかもしれないけど。

女目線の、女に対しての観察眼が鋭くて、もうヒェェとなる。辻村深月とかもかなりウワァァァとなるけどそれとはまた違う感じの。なんか、批判というか、嫌な女を描く時、すら淡々としてるというか...。事実、として描いている感じがするというか...。うまく言えねー。

人によっては「えーわからん。」となりそうな気もする。すっきりした終わり方でもないし。でもねー、こういう感じだと思うんだよな、実際のところ。うん。私はすごく好きでしたね。現実と非現実がうまいことブレンドされている感じで。全然うまく説明できません。ダメです。読んでください。

 

 

........とりあえず以上! 8月まだまだあるやん、て感じですが、お盆休み中ゆっくり読める日ももうないし、ここらでまとめさせてください。既に文字数多すぎるし。

紹介にも感想にもなってないような書き殴り文を読んで、読んでみたくなってくれたら嬉しいでございます。もし読んでくれたら私と話をしましょう。人の感想を聞くの好きなんだよな。

 

はー、いっぱい打って疲れた。まだまだ積読してるから読むぞお。読むぞお。おお。ほいじゃ。