鮭いくら茶漬け

お茶漬けサラサラ

薄紫のランドセルのあの子

f:id:lapapala15:20200120200951j:imageランドセル、いろんな色があっていいねえ。

でも、最近の小学生はあまりランドセルを背負ってなくて少し寂しい。わたしの時代も、高学年になるとエナメルバッグとかを使い始める人はいたけど。

可愛いじゃん、ランドセルって。ランドセルそのものだけじゃなくて、背負ってる小さい背中とかも。

 

わたしはと言えば、みんなと同じ真っ赤とかピンクは嫌で、人とかぶりたくなくて、でも奇抜な色すぎると飽きるのがわかっていたから、朱色にした。刺繍とかも変に入っていないごくシンプルなやつ。今見てもイケてる。

誰ともかぶらなかったし、かわいいし、飽きないし、で、6年間使った。ちなみに、この間背負ってみたら背負えなかった。

 

ある日、三重県から引っ越してきた転校生のランドセルは薄紫だった。

おったまげた。何がおったまげたって、彼女は薄紫が好きだから、と言って私物も全て薄紫で揃えていて、本当に薄紫だった。もう薄紫がアイデンティティだった。薄紫といえば彼女だった。

彼女とは仲が良かったんだけど、クソ可愛くない小学生のわたしは「こんな奇抜な色のランドセル、絶対に6年間使わないんだろうな。薄紫もブームなだけだろ。」と思っていたし、1人で賭けをしていた。

本当に可愛くない。やり直せ。

 

でも彼女は6年間、薄紫を好きだったし、そのランドセルも使い切った。お洒落に敏感な子で、ちょっとませたところもあったから(お前が言うな)、エナメルバッグが流行り出した時に絶対に変えると思ったのに。

わたしは1人で賭けに負けて、その時、「自分の定規で人を判断してはいけない」と学んだ。

本当に可愛くない小学生だな。

 

黄色とか、水色とか、派手なランドセルを見るたびに、背が伸びて大人っぽくなった6年生の彼女が背負っていた薄紫のランドセルを思い出す。

ラベンダーみたいな綺麗な色で、本当に彼女によく似合っていた。連絡先も何も全然知らないけど、元気かな。まだ薄紫好きかな。

飽きてたらわたしの勝ち、なんつって。

 

というランドセルの昔話。

ほいじゃ。